「365日」の考えるパン作りを解説!

パンの作り方

こんにちは!パンのブログです!

パン好きの方なら「365日」のパンを一度は食べたことがあるのではないでしょうか?

他のパン屋では味わえない個性的なパンが食べられます!

今回は有名シェフ杉窪章匡さんのお店「365日」の考えるパン作りを解説します。

杉窪章匡さん著『「365日」の考えるパン』を読んで、こんな考え方があるのか!

面白いなと思ったことをまとめました!

全部は紹介し切れないので特に重要だと思ったことをまとめています。

気になる方は是非お手に取ってみて下さい!

「なるほど!」が詰まっています!


「365日」はリノベーション

まずは「365日」のパンを見てみましょう!

キノコ型のカレーパン、中が空洞で潰れ気味のあんぱん、断面がかまぼこ型のバゲット。

あまり他のパン屋では見ない形をしています。

斬新とか、変わっていると思った方も多いのでは?

でもそれはパッと見たデザインやボリュームの大きさの印象であって、実は杉窪さんのパンの作り方は、全部リノベーション(新しく構築する)です。

杉窪さんはパンの修行をしたのはわずか1年!!

製パン知識のベースはベーカリー業界の有名著書『新しい製パン基礎知識』、『パン「こつ」の科学』の2冊のみ!



杉窪さんは本に書いてある作り方をしても自分の求める美味しさができないことに気づきました。

技術書に書いてあることは味を美味しくするためのつくり方とは限らない!

日本のベーカリー業界で教え継がれている製パン法

日本のベーカリー業界で教え継がれているのは見た目の失敗が少なく、大きく膨らむ製パン法!

しっかり捏ねて、しっかり発酵をとって、グルテンを強くし、ボリュームのあるパンを作る。

ボリュームがあるということは付加価値がつきます。

これはメリットであり、デメリットでもあります。

・グルテンが強いということは食感に「引き」が生まれる。

・発酵をしっかりとると、小麦の味が薄れる。

・パンチを打つとボリュームが出るが、味は薄れる。

・発酵が促進され、糖が分解され甘みが減る。

「365日」ではこの考え方に基づき、

・発酵をそんなに促進しない

・パンチはしない

そんな作り方を選択しています。

物事にはメリット、デメリットがあり、そのバランスをうまくとって再構築する。

昔ながらの製パン法を杉窪さん流にリノベーションしています。

確かに365日のパンを食べると「引き」がなく歯切れの良い食感です!

 



おいしさのマトリックス

「おいしさ」は1つではない!

世の中にはたくさんのおいしさがあります。

その中でも、どんなおいしさを追求するのか決め、スタッフと共有し、同じおいしさを目指さなくてはいけない。

そのために、おいしさを2軸の4つの指標で考えている。

本ではわかりやすい図があるので是非お手に取っていただきたい。


「365日」のパンは新鮮・フレッシュ、素材のおいしさがコンセプトになっています。

国産小麦のおいしさを引き出す作り方を徹底しています。

「365日」の発酵の考え方

皆さん発酵の目的は何でしょう?

答えは美味しくするため?

「365日」の考え方の答えは火通りを良くするためです。

杉窪さんにはパン生地が発酵によって美味しくなるという考えはあまりないようです。(天然酵母は例外)

漬物や納豆、お酒などの発酵食品は発酵することでたしかに美味しくなります。

しかし納豆の原料の大豆は保有たんぱく質がとても多く、うまみのもとになるアミノ酸が多く発酵するとグンと変わります。

いっぽう小麦の保有たんぱく質はそれほど多くない。

ですので、うまみを生む発酵ではなく、火通りを良くするためのプロセスとしての発酵という考え方。

吸水たっぷり

普通のパンの吸水が60〜70%前後なのに対し、「365日」のパンは吸水80〜90%前後とかなり多め。

それは歯切れの良いパンにしたいから。

吸水が多いとグルテンが形成されにくいため「ヒキが弱いパン」に仕上がります。

またみずみずしくしっとりした食感になるのでモチモチ傾向の国産小麦との相性も良い。

型の力で焼く

グルテンの繋がりが悪い生地の ため、どうしても腰の低いパンになってしまう。

そこで、あんぱんもカレーパンも型を使い腰高に焼き上げている。

また、新人でも同じ形に焼き上がるメリットもある。

あのキノコ型のカレーパンは型の力であの形だったのですね。

 



食べたパンの感想

白こしあん×あんぱん 200円 税抜

白こしあんが他では味わえないくらい上品で美味しい。

ねっとり滑らかでミルキーな風味、香りが強く甘味も上品。

生地はしっとりもっちりした食感。

ケービングしているが、それは「骨格が弱く歯切れが良いという証拠」という考え方。

空洞には白餡の香りが詰まっている。

カレーぱん 320円 税抜

下はひき肉をハーブ、赤ワインなどで炒めたカレーフィリング。

上はカボチャカレーで2層構造になっている。

上のフィリングは季節ごとに、さつまいもや、トマトなどその季節に美味しい野菜を使っている。

生地は歯切れ良く、オリーブオイルで揚げ焼きしている。

甘口カレーで子供でも食べられる焼きカレーパン。

さつまいもペーストを75%も練り込んだ生地は確かに歯切れ良い。

じゃがいも 男爵 200円 税抜

じゃがいも、ベーコン、ローズマリー。

じゃがいものホクホク感とベーコンの脂の旨み、ローズマリーの爽やかな香りがアクセント。

生地はもちっとした食感。

3口くらいで食べられるかなり小さめのサイズ。

365×バゲット 250円 税抜

国産小麦を含む4種類の粉を使い、歯切れの良い食感、小麦の香りにこだわっている。

一晩オートリーズを取ることでしっかり水和していて、熱伝導が良くなり、火抜けが良くなる。

コンベクションでこのクオリティーのバゲット焼けるのはすごい。

まとめ

「365日」の考えるパンは面白いですね!

今まで学んできたいろんな製パン知識が本当に合っているのか?

自分なりにパン作りを考え直し、「新しいおいしさ」に出会えたら嬉しいですね!

ここでは本の一部しか紹介できていないので、気になった方は是非お手に取って見て下さい!


今回紹介したのはあくまですぎくぼさん竜の考え方です。

これが正しく、これが間違いというのはなく、

「自分なりのおいしさ」を考え、試行錯誤し、見つけることがパン作りの醍醐味ですね!

ではまた!

コメント

タイトルとURLをコピーしました